唇を離せば、案の定顔をタコのように真っ赤にしている桃嘉。
「ふはっ」
可愛くて、しょうがない。
「ねぇ、蓮、なんで海にきたの?」
「…今日は、何日?」
「えっと…6月6日??」
まだわかんないのかよ…。
「桃嘉は何歳?」
「え、17さ…あ」
「誕生日おめでとう」
「…忘れてた…」
「だろうな」
「で、でも、蓮そんな素振り…
「彼女にバレる程、バカじゃないよ俺」
「…う」
「ハッピーバースデー、桃嘉」
俺は、桃嘉の手の平に誕生日プレゼントを置いた。
「去年はストラップくれたよね。うさぎのやつ」
「あー…」
「開けていい?」
「どうぞ」
桃嘉は袋を開けると、
目を輝かせた。

