目的に着き、俺は桃嘉を起こす。
バスから降りれば、桃嘉はグッと背伸び。
「ん〜っ」
「よく眠れたか?」
「うんっ!」
「そりゃよかったよ」
「それより…ここ、どこ?」
「あっち、見ればわかるんじゃない?」
俺は目の前にある方に、指を向ける。
その指の方向に桃嘉は目を移すと、
目を輝かせた。
「海だぁ〜っ!!」
「二年つき合ってて、まだ行ってねぇじゃん」
「うん、来てない! 行ってない!」
子供みたいにはしゃぐ桃嘉を見て、自然と口元が緩んだ。
連れてきて良かった。
最近…ほんと溜め込んでたみたいだし。
勉強の息抜きにはちょうど良かった。

