「おまたせっ!」

「ん」


蓮は当たり前のようにあたしの手を握る。

それが嬉しくて、顔が自然と緩む。


「なに、にやけてんだよ」

「に、にやけてないっ!//」

「ぷっ」


クスクスと笑う蓮に、また顔に熱が溜まる。

そんなあたしを見て、蓮はまた笑う。



あぁ…もぅ、

蓮と一緒だと心臓がいくつあっても足りないよ。




蓮の家に着けば、あたしは蓮にケーキを渡した。


「サンキュ。あとで食べような」

「うん♪ …ねぇ、おばさんは?」

「いるわけねーだろ」

「へ…?」


去年までいたじゃん…。



「いたら、桃嘉を感じられない」



低く甘い声であたしの耳元で囁いた。

あたしの顔はボンッと勢い良く赤くなる。