蓮の誕生日。

いつも通り、蓮と一緒に帰る。


「じゃあ、待ってるな」

「うんっ♪」


そっと唇を重ねて、あたしは家に入る。


「よしっ」



引き出しから、この前買った服をだして、すぐに着替える。

そして、机に置いてある箱を鞄の中に入れた。



「桃嘉ぁ」

「? なに、お母さん」

「今日蓮くんの誕生日なんでしょ?」

「そうだけど…」

「じゃあ、これ! 持ってって?」

「…ケーキ?」

「そ。2人で食べなさい」

「わぁ、ありがとう!」


あたしはお母さんからケーキを受け取って、首にマフラーを付ける。

髪の毛を軽く巻いて、玄関のドアを開けた。