「…蓮、行かないの?」
「んー…あともうちょっと」
「それでもう30分…」
「ってか、このまま後夜祭過ごそうぜ」
「えーせっかくなんだし…。
最後の後夜祭なんだから…」
「…出るか」
「うん」
蓮はあたしから離れて、ベッドから降りた。
あたしもボタンをとめて、ベッドから降りる。
保健室のドアを開ければ、奈津子ちゃんが立っていた。
「…蓮くんみーっけ」
「…」
「ぁ、桃嘉チャンも」
「…桃嘉、わり。後夜祭、あと何分?」
「え、ぁ…1時間かな…」
「30分、潰れるけど…いい?」
「へ?」
「ナツ、いきなりで悪いけど、お前のその赤い目の理由話せ」
「…さっすが蓮くん…。ほんと…敵わないなぁ」
よく見れば、たしかに目が赤い。
だけど…
そんなの、本当に良く見ないとわからない。