「岸本、呼んでるけど…」
クラスの男の子があたしに話しかける。
ドアの方を見ると、会長が立っていた。
あたしは、会長の方に駆け寄った。
「どうしたの?」
「これ、明日の予定表。遅くなって悪いな」
「ううん、大丈夫ー」
「…まだ仲直りできてないみたいだな」
「…うん」
「しょうがねーなー。
…岸本、ゴミついてる」
「へ?」
「目、瞑って?」
「ぁ、うん…」
あたしはそっと目を閉じた。
清本の手が、そっとあたしの頬に触れた。
『桃…』
あたしは、思わず目を開けた。
「? 岸本?」
「ご、ごめっ…ぁ、ゴミ、とれた?」
「ぇ、あぁ…うん」
「そ、そっか! ありがと!」
一瞬…蓮のあの真っ直ぐな瞳が…
脳裏に過った。
キスする時…
あたしの頬に添えてくれてた大きな手。
まだ…あの温もりを体が覚えてる。

