「れーんくんっ♪ 帰ろ〜!」

「いや…俺、まだ…」


蓮くんは…

桃嘉チャンを待ってる。

放課後になっても、桃嘉チャンが自分のところにくるのを。


桃嘉チャンが教室を出ても、その三十分後に教室を出る。



なにやってんの、ほんと。




「蓮くん、桃嘉ちゃんは…来ないよ」

「…知ってる」

「帰ろうよ…。勉強、あるでしょ?」

「勉強より桃嘉の方が大事」


こんなにも…愛されてる桃嘉ちゃんが…


あたしは、羨ましくてしかたない。


大好きな人に…


愛されてる桃嘉ちゃんが。