翌日、学校に行けばいつものように奈津子ちゃんがあたしの前の席に座っていた。
「おはよー!」
奈津子ちゃんの笑顔が、今は…
苦しい。
「? 桃嘉ちゃん?」
「おはよ!」
「…なんかあった?」
「ぁ、えっと…」
ジーッとあたしを見る奈津子ちゃん。
あたしは、自分の席に座る。
「…あの、さ…昨日…蓮と、抱き合ってた…?」
あたしがそう聞けば、奈津子ちゃんは、切なそうに笑った。
「なーんだ、そんなこと?」
「そ、そんなことって…っ」
「案外、ヤキモチ妬きなんだね、桃嘉チャン」
カァァァァアッと顔が熱くなるのが、自分でもわかった。
「蓮くんとは、そういう関係じゃないよ。
ってか、蓮くん、そんな器用なことできないし」
クスッと笑う奈津子ちゃんの言葉に、ほんの少し安心をした。