え…。 「蓮…」 「…帰るか」 「でも、奈津子ちゃん…」 「彼氏だろ。行くぞ」 ”彼氏” そんな確信はない。 だけど…今、桃嘉を一人になんてできない。 「…蓮、心配…?」 「そりゃな」 「いいよ? 行っても…」 そう悲しそうに言う桃嘉の頬に手を添えて、 優しくキスをした。 「桃嘉から離れたくない」 顔を真っ赤にする桃嘉。 だけど、 表情はどこか不安そうだった。 いっそ…ナツのところに行って、 全部解決して、桃嘉のところに戻ったら、 その不安そうな顔は消えますか──?