【完】無愛想彼氏2~キミノ隣で~






桃嘉と手をつなぎながら、いつもの帰り道を歩く。

「蓮、蓮は塾とか行く?」

「は?」

「奈津子ちゃんがね、塾行ってるから受験勉強は学校ではしないーって」

「行かねぇよ。
今更行っても、意味ないじゃん」

「そっか!」


嬉しそうに笑う桃嘉。

塾…ね。

行く訳がない。

だって…

これ以上桃嘉と二人きりの時間が減るのは、ごめんだから。



「ねぇ、あれ…奈津子ちゃん、じゃない…?」

「ん?」


通りかかる公園に、確かにナツが立っている。

だけど…

ナツだけじゃない。

ずっと、ナツより背が高くて、

年上の男が、ナツの前に立っている。



誰だ、あれ…。


小さい時からナツの一緒にいたけど…

あんな奴、見たことないし。


ジッと見てると、その男がナツにキスをした。