「桃嘉、帰るぞ」
「へっ?」
あからさま驚いてる顔を見て、心の中でクスリと笑う。
「早く支度しろ」
「ちょ、ちょっと待って」
支度がし終わったのを見て、隣を歩く桃嘉の手をそっと握る。
そして下駄箱に行き、帰り道とは逆の方向を歩く。
「れ、蓮??
家、こっち…」
「いいから。今日は放課後デート」
「ちょっ、あたし勉強…」
言うと思った。
俺はあからさま嫌な顔を見せた。
そんな俺とは逆に、桃嘉はハテナマークでいっぱい。
「今日は勉強なし」
「む、無理! 授業だって」
どんんだけだよ…。
別に、桃嘉が授業についていけてない、なんて思わないけどな…。
成績だって、お世辞でも良いとは言えないけど、悪くない方だ。
中の上ぐらいで、全然良いと思う。
俺は桃嘉に力強く言った。
「今日はデート」

