「…進路調査の紙、お前だした?」
「だ、だしたよ…」
「一番最後だろ」
「な、なんで知ってるのっ?!」
「担任が俺のところに、『岸本に言っといてくれ』って、前に言われた」
「う…」
「お前なんか悩んでるの?」
「…話、聞いてくれる…?」
「? まぁ…」
さっきのハイテンションな桃嘉とは違い、急にしおらしくなる。
鞄の中のファイルから一枚の紙を取り出した。
「その、これ…」
「…マジ、で?」
紙は、進路調査表。
まだだしていなかったことに驚いたんじゃない。
「お前さ、第一希望と第二希望に差、ありすぎ」
「う…だ、だって、行きたい大学書けって担任が…」
いや、そりゃそうだけどさ…。
第一希望がT大。
ここら辺じゃ上から二番目ぐらいの大学で、桃嘉なら狙える範囲。
そんで…第二希望がH女大。
何かしらの目的がないと行かない大学。

