振り返れば、大きな鞄を持っていて、目を丸くしている怜がいた。
横には、お母さんが立っている。
「ぁ、お、おはようございます!」
「桃嘉ちゃん、おはよう。
ごめんね…急に」
「い、いえ…」
「…怜、お母さんお父さんのところに行ってるから」
「ぁ、う、うん…」
怜のお母さんは優しい笑顔を見せて、行ってしまった。
「…あと、五分だから」
「ぁ、えっと…
この前は、ごめん。
酷い、こと言って…」
「別に…もぅ、気にしてないよ」
冷たく言う怜。
だけど…
耳は真っ赤。
「また…逢えるよね…っ??」
「…」
「だって、どっちかが死んだわけじゃないじゃん!!
生きてる限り、同じ空の下にいる限り、
もう一度…逢えるって、信じてる…っ!!!」

