「間宮と同じ立場でさ、
将来のためだから行きたいけど、間宮と離れたくない。
桃嘉なら、どうする?」
「…どうも、できない。
だって…
認めたくなんかないから…っ!!」
ずっと一緒が、当たり前だと思っていたから。
「んじゃ、間宮も同じかもな」
「え──…?」
「間宮も、認めたくなかったんじゃねぇの?
桃嘉と離れたくなくて。
認めたくないから、言えなかった」
「…」
「俺もさ、言えねぇよ。
桃嘉と遠距離なんて、考えられないし。
その日がくるまで、夢であって欲しいって思う」
「…蓮は、もしあたしがアメリカに行くことになったら…
笑顔で送れる…?」
「そうだな…そんときは、精一杯頑張るよ。
だって、そのときの表情が相手の頭に残るんだったら、
相手の好きな表情で見送りたい」
「…蓮、あたし、怜に謝らなくちゃ」
「おぅ」
怜に、ひどいことをたくさん言った。
思ってもいないことを、たくさん言ってしまった。
「でも、怜…もぅ、帰っちゃった…」
「明日、言いに行けばいいじゃん。
俺も一緒に行ってやる」
「うん…」
怜…。

