翌日、あたしはいつもより早く学校に行った。

怜がくるのを、ずっと待っている。


教室のドアが開き、

怜が


「おっはよー!」


いつもの挨拶をして教室に入って来た。


その笑顔が…

作り笑顔に見えて、しょうがなかった。



「…ッ」

「? 桃嘉?」

「あ、のさ…」

「…まったく、桃嘉はわかりやすいね。

あたし、アメリカ行くよ」

「…ッ。うん…」

「父さんがさ、アメリカで働かなくなっちゃったみたいでさ。
あたし翻訳家目指してるから…ちょうどいいかなって」

「うん、頑張って、ね…」

「…それが桃嘉の本音?」

「え…」



怜は、冷たい視線であたしを見る。