玄関から部屋へ入ると、孝一は寝転がったまま雑誌から顔を上げ、俺に『おすっ』と一言声をかけた。 孝一は駅から徒歩5分程度のマンションに1人暮らしをしている。 「なぁ、どーいうこと?ユイちゃん、お前のこと警戒してなかった?」 俺が孝一の隣に腰を下ろすと、ユイが冷たいお茶を出してくれた。 俺がそれを手にとって口を開くと、孝一は一瞬で気持ち悪いほどにデレデレとした表情になった。