「へぇ、消してって言わないんだ?」 俺のおちょくりにナツは表情も変えず、『消したらトランプできないじゃない?』と笑って言った。 ぶっちゃけ、俺はなぜかいっぱいいっぱいだった。 ラブホなんか何度も来てるし、別にナツとヤろうと思ってたわけじゃない。 でも、俺よりも見るからに余裕なナツを見ていると、なんかムカついて…なんか痛くて… その余裕をなくしてやりたくなった。 「なぁ、ホントにトランプなんてすると思ってるわけ?」 「やだなぁ、翔汰さん。そんなこと言わないでよ。」