俺がナツの髪に触れると、ナツは男の名前を口にした。 俺の中に黒い、汚い自分でもよくわからない感情が広がる。 「ナツ…?」 俺が声をかけるとナツは瞳を開けて微笑んだ。 「…んー…翔太さん…うち寝てたぁ…」 「…ごめんな、寝よ?」 「うん…」 『けい君』のことが気にならなかったわけじゃない。 でも、エアコンが効きすぎているこの部屋で俺にしがみつくように眠るナツを見ていたら、今は聞けないと思った。