羽田くんに手渡ししたのは3角錐で苺チョコとミルクチョコで2層になっている子供に人気なチョコのお菓子。
「これ…俺の大好きなチョコじゃん」
「あたし、記憶力いいんですよ?」
「フッ、ありがとう」
羽田くんはチョコを見て恥ずかしそうに笑った。
あぁ…あげて良かった。
「あたしが辞めた時、羽田くんがチョコくれた時すごい嬉しかったから…そのお礼です」
「そっか。ありがとな」
羽田くん…そのチョコね?
あたしが辞めた時にくれたチョコのお礼もあるんだけどね?
本当の理由は1ヶ月前にあげることができなかったバレンタインデーのチョコなんだよ?
「じゃあ、帰るか」
「そうですね」
「今日、来てくれてありがとな。あとチョコも」
「いーえ、どういたしまして。
羽田くんも送ってくれてありがとうございました」
「うさ子」
「なんですか?」
「ごめんな…?」
辛そうな表情であたしを見る羽田くん。
ごめんってなにが?
何のごめん?
気持ちに答えてあげられなくてのごめん?
最後まで送らなかったごめん?
何のごめんか分からないから、どう応えていいのかわからない。

