お店を出るとゆっくり自転車に乗った。
「……」
そしてペダルを強く押して前に進む。
とうとう羽田くんに会うことなく、バレンタインデーが終わる。
鞄の中にはハート型の小さなチョコが5つ入ったラッピング袋。
そして、クッキーは佐伯くんの元に…。
あげる気はなかった。
でもいつの間にか作っていた羽田くんへのバレンタインデーのチョコ。
もし羽田くんに会っていたら、あたしはあげてたのかな…?
このハート型のチョコレートを…?
分からない。
自分がどんな行動をしたか今でも分からない。
でも、今はホッとした気持ちが半分。
やるせない気持ちが半分あった。
「なんなんだろ…」

