「原田ちゃん、交代」
「あ…はい」
いつもは、ダラダラして来る佐伯くんは今日はシャキシャキしてすぐ着替えて来た。
「お疲れ様です」
「はい、お疲れ様」
「お疲れー」
事務所に戻ると、ゆっくり着替える。
「…着替えちゃった」
鞄を持つ瞬間、鞄の中に視線がいった。
……とうとうダメだったな、
「お疲れ様です、上がりまーす」
「はいはい、お疲れ様」
「…あれ?原田ちゃん?今日何日?」
「14ですね…」
「何月だっけ?」
「2月ですね…」
「バレンタインデーだな!原田ちゃん知ってる?
バレンタインデーって好きな人じゃなくても、いつもお世話になってる人に感謝の気持ちであげてもいいんだって」
「….へー」
「あ、別に催促してないから!」
「…佐伯くん、これどうぞ」
「うわー!原田ちゃん、俺にクッキー用意してくれてたんだ!」
あんなに催促されたらね…。
「じゃあ…帰ります」
「ばいばーい」
佐伯くんはあんなに引き止めておきながらいざ、クッキーを上げたらすぐに帰らせてくれた。
この野郎…。

