「あれ?原田ちゃんまだ居たんだ?」
「あ、はい。羽田くんと世間話をちょっと…」
帰るには店を通らないといけない。
早く1人になりたい…。
そんなあたしの気持ちも店長は気づかない。
「羽田くんと帰るんじゃなかったの?」
「あー…あたしがちょっと用事ができたんで別々に帰ることになったんです」
「そうだったんだ、じゃあ気をつけてね」
「はい、お疲れ様です」
店には店長しかいなかった。
多分青木さんはバックに行ってるんだ。
あたしは店を出ると、自転車に鍵をさして直ぐさま自転車に乗った。
一生懸命自転車を漕いだ。
視界は歪んでいて、上手く前が見えない。
「ハァハァハァ…」
泣いて息が荒いのか、
自転車を漕いでいて息苦しいのか分からない。
でもなんで涙が流れるのかは分かってる。
あたしはまた失恋をしたのだ。

