あなた色に染まりたい

「相変わらずだな、おまえらは」




後ろから溜め息混じりの声が聞こえた。


あ、そうだった……


晴希と一緒だったんだ。




「晴希さん?」


「久しぶりだな、蓮」


「ほんとですね」




あたしが晴希と会ったのも記憶にないくらい久しぶりだから、蓮と晴希はもっと……




「これからデートだって?」


「まあ……」




と、なぜか歯切れの悪い言い方をする蓮。


あれ?


なんか、機嫌悪くない?


気のせい?




「そっか、楽しんでこいよ」


「もちろん、そうします」




やっぱり言葉に棘(トゲ)があるような気がする。




「はは、蓮は相変わらずだな。……じゃあ、俺は、もう行くよ」




そう言って、晴希は去っていった。


そんな晴希の背中から、視線を蓮に移した。




「蓮、なんか怒ってる?」