あなた色に染まりたい

“返事、考えてくれた？”


「うん、あのね……」


“待て！電話では言うな！会って聞きたい。いい返事でも……悪い返事でも……”



確かに……こういうことは、ちゃんと顔を見て話すべきなのかもしれない。



「じゃあ、いつなら会えるの？」


“明後日なら……土曜だけど、紗羽は大丈夫か？”


「うん。少しなら」




土日はいつも蓮と過ごしてるから……




“じゃあ、朝10時に迎えに行く”


「え……迎えって？あたし、そんなに長く出るつもりはないよ？」



話すことだけ話したら、すぐに帰ってもらうつもりなのに……



“アパートにはあがらないほうがいいだろ？どっか話せそうな場所に移動するだけだ”


「あ……そういうこと」



確かに……付き合っていない今、部屋に二人きりはよくない。



“じゃあ明後日な”


「うん」



そのまま電話は切れた。


はぁ…断るって決めてるけど……


大輝のことはホントに大好きだったから……


やっぱり、胸が痛い。