抗議するにも罪の内容がわからなかったし、抗議する暇も、抗議をさせてくれる暇も、与えてはくれなかった。


だから俺はそのまま流れるようにして今に至ってしまっているのだ。


今日何回目かも分からないため息をついて、光を求めるために上を見上げるがやはり目に入るのは冷たく湿っていて苔が所々生えてしまったコンクリート。


俺達天界人には武器と魔法というものが扱えるが、実際使えるのは天界と人間界の天敵である魔界人が襲ってきた時と何かしらから自身を護る時だけである。


天界は争いを好まないため、それは天界の法律で定められているのだ。


しかし魔法には、攻撃魔法と回復魔法の二種類ある。


攻撃魔法が今の法律に当てはまるが、回復魔法は今の法律には当てはまらない。


…まぁ、もうそろそろ俺には関係なくなるのだが。


天界追放される俺にはある意味での解放はされるが、天界に充満している天使に必要な力…つまり、天界の加護を受けられなくなり、俺は【堕天使】となってしまう。