ブロってますか?

寝室に向かう美沙子
おもむろに健一の携帯を開く。

『まっ!オートロック掛かってる。今まではこんな事無かったのに。取りあえず生年月日かな?違う!キャッシュカードの番号では、違う!もぅあの人カラスの行水だからもう上がるわね…今日は諦めよう。』

美沙子は着信履歴を調べようとしていたのであった。

携帯を元の場所に返し、何食わぬ顔で食卓に座る美沙子。
程なく健一が浴室から出て来る。

「さっぱりした!ビールビール。」

無言で缶ビールを差し出す美沙子。

おもむろに口を開く美沙子。

「あなた、出張は楽しかった?」

思わず一口煽ったビールを吹き出しそうになる健一。

「しゅ、出張が楽しい訳無いじゃないか。仕事で行くんだから!」

「そう、そうだわね。」

じっと健一を見つめる美沙子。
話題を変えようと、
「ところで、トールは進んでるの?」

健一の問いに、今度は美沙子が、食事を詰まらせる。

「う、うんぼちぼち…」

美沙子の脳裏に、全然進んでないトールペイントの絵が浮かぶ。

それから無言の食事が進む。空気の重さに耐えかねた健一が口を開く。

「何かあったの?」
「別に…」

冷たい一言に、健一は…