「なぁ、」

「はい」

「植草が、高見といる理由って何?同情?それとも愛情?」


一緒にいる理由


彼とは、最低最悪の出会いをした。
でも、彼のさりげない優しさを知った。
彼の苦しさを、少しだけ見た。
寂しそうな顔、辛そうな背中を見た。


それが何故かなんて分からないけれど、私と一緒にいることで、その時だけでも、一瞬でも辛いことを忘れることが出来るのなら、一緒にいたいと思った。



それを同情と言うのなら、そうなのかもしれない。

彼と一緒にいることは、私にとっても楽しくて、少しでも長く一緒にいたいって思った。

一緒にいる時間を大切にしたいって思った。


バカ言い合って、笑い合って。

それが楽しいって感じるのは、私が彼を好きだから。


好きだから、一緒にいたいって思ってる。


それをなんていうか分からないけれど、彼と一緒にいると、楽しいから。

そんな簡単な理由なのかもしれない。