「あの人はね、高見先輩の」 愛が言い辛そうにしていたので、それが、昨日、先輩を見て感じたことが本当のことなんだって確信に変えた。 あの人は、高見翔の特別な人なんだって。 「先輩の特別な人なんでしょ?」 私の言葉に、目を見開いて驚いたのは愛の方だった。 噂に疎い私が、まさか知ってるなんて思ってなかったんだろう。 「なんで?誰かから聞いた?」 「誰にも聞いてないよ。 ただ、そう思っただけ」 そう…… これは、勝手に私が思ったこと。高見翔を見て感じたことなんだ。