麗子の返答に、真顔で彼女が確かめる。 「もう一度言っておくけれど、私は駆け出しの産業カウンセラーだから通常の人に毛が生えた程度だと思って。私が述べる内容は合っているかもしれないし、間違っているかもしれない。だから、気楽にね」 「ええ。分かってるわ」 それを知った上で、それでも麗子は頼まずにはいられなかった。 (私は前へ進まなければいけない) 生徒たちのためにも……