椎名奈穂 太字の明朝体で書かれたその名前。 いつものように送られてきたメール。 早く読みたいのに、私の指は言うことを聞かない。 どんなことが書いてあるんだろう。 別れよう、なんて書いてあったらどうしよう。 どうしよう、どうしようと私の頭ではその言葉がぐるぐるしていた。 カチッとマウスの音が鳴る。