校舎から野球場までの距離は長い。 鮫島もそろそろ来るだろう。 「椎名君っ」 「鮫島おっせえ。超待ったぞ」 「ごめんごめん」 ここまで走ってきたのだろうか。少し息が上がってる。 鮫島の呼吸が落ち着くまで少し待ってから、また歩き始めた。 やっとのことで野球場に着くと 「あっ!奈穂先輩!お疲れ様っす!」 「「お疲れ様っす!」」 と、部員みんなにあいさつされた。 まあ、普通のことなんだけれども。 隣にいた鮫島は、ビビりにビビりまくっていた。