「キャプテン、上、上!」 声につられて蒼はふらっと空を見上げた。 いつも通りの、8月の空。 水色の壁に、白の綿がところどころに散らばって… 「あ……」 パコン!! 「いったああっ!!!!」 あまりの激痛に蒼は頭を抱えてしゃがみこんだ。 足元には先ほど蒼の頭上を直撃したボールが、情けなく転がっていた。