「あお…入るよ」

返事はない。

「あおの好きなコンソメ味のポテチ。あと、チョコチップも。ソーダのピーチ味も新発売だから買っちゃった」

優しく美津子が話しかけても、ドアの奥から物音一つしない。


仕方なくそっとドアを開くと、まるで真冬のような冷たい風が勢いよく吹いた。


「きゃああっ! さっ寒い!」


「この部屋、何か変だよ!」


闇の静けさの奥に、蒼が寝ているベッドがあった。

ベッドの布団は膨らんでいて、多分蒼がその中にいた。