美津子の家は、どこよりも先に雨があがったような、そんな賑わいに包まれていた。 そんな束の間の幸せに包まれる美津子の家からそう遠くない場所… 蒼は一人、自分の部屋の窓から雨景色を眺めていた。 疲れきっていたが、色々考えすぎて眠れなかった。 窓を開けて雨の音を聞いているほうが、何だか落ち着いた。 黒い雲の流れをただ目で追った。 少しずつ、眠気が襲ってきた。 (……もう…ねよ…)