「あお……」 千鶴は、ふっと息を整えた。 ――何があっても 信じている、信じていたい それがどんなに辛くても 受け止める、受け止めたい 誰かの歌を少しアレンジして、千鶴は思いを歌に乗せた。 歌はこもった壁に反射して、千鶴を優しく包み込んだ。 「素敵な歌だね」 「ぎゃああああ!!」 ドアのガラス越しにリョウの影が写り、千鶴が悲鳴を上げた。