(それにしても……) ナイフを持った影のことを思い出す。 黒い鎧の男たちは蒼を襲おうとはするけれど、刃物をちらつかせたことはない。 奴らとは何か違う雰囲気を持っていた気が、蒼をしていた。 (それにあの香り…あの花の香りは…) 目を閉じて考えようとすると、ふと眠気が蒼を襲う。 (いかん…朝から力を使ったせいか…眠たい…でも今日はどうしても行かないと) 勢いよく突き刺したウインナーをかじりとかぶりつく。