その日の夜。 あまりの蒸し暑さに制服を着たままだった蒼は、うなされながら目を開けた。 (あー……もう夜…) 真っ暗な部屋が嫌に静かだった。 (今日は…フレンは横に……いるはずないか…) 期待している自分がいて、それが妙な気持ちにさせた。 ――ごそっ…… 誰もいないはずの部屋の片隅から物音が聞こえた。