「…ッ、離れたくない…ッ」 離れたくない、離れたくないよ…。 離れたくないから、時間を止めて。 そう、願ったとしても。 ――――時間が止まることはない。 時計を、遅らせて見ようか、とも思った。 …バカだと思った。 無駄な労力だと思った。 …時間は人間の手じゃ、動かすことなど絶対にできないのに。 だけど。 それほど、私はそんな思考回路もなくすぐらいに、皇と別れたくなくて。