朝6時。 毎日決まって電話が掛かってくる。 設定音も彼だけの特別。 ショパンの『夜想曲第2番 変ホ長調』 これが私の目覚ましだ。 「……ん~…」 眠たい目をこすりながら、私は携帯を開き、通話ボタンを押した。 すると、 ≪樹里【じゅり】、はよ≫ 起きてるか?と再び聞く。 愛しい、彼の声。 この声で、夢から引き戻される。