沢村と校舎を出て、二人並んで歩き出す。 周りの女子の視線はやっぱり痛いけど… 私、きっとこの時を待っていたんだと思う。 少しだけ勇気を出して… 素直になってみて、良かった。 憧れていたから。 こうやって沢村の隣で歩くことを。 校門に続く、銀杏が黄色く色づいている街路樹を二人で歩いていると、隣のグラウンドから部活中と思われる男子達の掛け声が聞こえてきた。 あ…新井がいる。 私は新井が部活に熱中する様子を横目に見ながら、そっと心の中で「ありがとう」とお礼を言った。 *fin*