触れることもできない君に、接吻を


「はあ……? こっち、給食費払ってるし、眠ってようが食べる権利あんだろ」

こういうところで常識論を持ってくるのは、癖だった。
だけどこんなもの、裕大には利かない。

「でも無いもんは無いんだ。仕方ない。諦めるんだな、真人」

裕大はそう言うと自分の席に着いてしまった。
俺は本当に給食がないのか確認したが、本当になかった。
でもいつもは余っているのに、そう思って裕大の食膳を覗いてみると、通常の何倍かのおかずなどが乗っていた。

これも裕大の仕業か。
俺は肩をすくませて、仕方なく自分の席に戻った。
悲しいくらいにぐうぐうとお腹は鳴り続ける。

今日は由梨と会うために朝食も食べずに家を出てしまったんだ。
これで昼を食べないと、飢え死んでしまうかも知れない。