学校に着くと思った通り、門は閉まっていた。
「…菫、どうする?」
「どうするも何も…門が閉まってるんじゃ、入れないでしょ!」
「……だよねぇ〜」
そんな会話をしていた時だった。
「おい、待てよっ!!」
「ハハッ…! 翼、おせーよ!」
2人の男の子達が私と菫のいる方に走って来た。
先に走ってきた男の子が私達に気が付いたのか、私達の方に振り向いた。
あれ、この人…
「…水瀬に、村咲?」
「……えっ?ハ、ハルくんっ!?」
成宮 春樹。(Haruki.Narumiya)
小学生の時同じクラスだった男の子。
優しくてカッコイイから、みんなから好かれる人気者だった。
同じ中学校だったんだ…。
「ハル、知り合い?」
ハルくんの隣にいた男の子がハルくんに話かけた。
わ、イケメン!!
ハルくんと雰囲気は違うけど、顔立ちが整っていて…すごくカッコいい。
制服を少し着崩していて、それがよく似合っている。
でも、無表情でちょっと怖いかも……。
「うん、同じ小学校出身なんだよ」
「ハルくん、隣の子……」
私が言い終わらないうちにハルくんは答えた。
「あぁ! コイツ、オレのいとこ。 結城 翼(Tubasa Yuuki)って言うんだ。昨日、こっちに引っ越して来たんだ」
「そうなんだ…。 よろしくね、結城くん!」
「……あ、あぁ。」
結城くんはそっけなく言った。
「あっ…! まだうちらの自己紹介してないじゃん!」
「あ、そういえば…。私、水瀬 桜!これからよろしくねっ」
「村咲 菫。…まぁ、よろしく」
「…水瀬?に、村咲?…か。たぶん覚えた」
「"たぶん"って…。水瀬と村咲に失礼だろーが!」
「………」
(この人、なんか苦手かも…)
この空気に耐えられなくなった私は、慌てて別の話題に切り替えた。
「そ、そーだ! 2人はなんで遅刻したの?」


