唇に…温かくて、柔らかいものが触れた。


目を開けると私が結城君に覆い被さるようにして倒れていた。

しばらくの間、お互いにフリーズ。


(今、何が起こったの? 今のって、まさか…………キス!?)


「○×※◆△!!!?」


しばらくして何があったのかを理解した結城くんが慌てて起き上がった。


「……わ、悪い!!」

「わ、私こそごめんね。私が勝手なことしたせいで……」

「いや、オレがもっと早く気がつけば……」


(これじゃあ、お互いに堂々巡りだよ……)


その言葉を最後に、気まずい空気になってしまった。


(……どうしよう。 さっき私、結城くんと………き、"キス"したんだよね…? まさか、ファーストキスが事故チューになるなんて。)


でも、不思議。


(結城くんとキスしたの、全然イヤじゃなかった……)


それに、心臓が壊れてしまうのではないかと思うくらいドキドキとしている。


…素直じゃないけど、私が困っていると助けてくれる優しい結城くん。

…だけど意外と照れ屋だったりして、かわいい一面もある結城くん。


結城くんの傍にいるだけで、こんなにも心臓がドキドキして、顔を見るだけで…会えただけで嬉しい。


もしかして、私……結城くんのこと…………………。