(な、なんでだろ……。やけに心臓の音がうるさい)

それもそのはず。

資料室とはいえ、中はかなり狭い部屋。

資料室は資料を置くためだけにある場所。

だから、普通に比べてかなり狭い。

とにかく狭い!

さらに今は資料が溢れていてほとんど隙間なんてない。

2人でくっついてやっと座る隙間があるくらい。


だから私と結城くんは背中合わせだけどくっついてる体制になっている。

これだけ近い距離に男の子がいて意識しないという人がいたらすごい。

……本当に。

おそらく今の私の顔は真っ赤に染まっていると思う…。

(私だけ…? こんなに意識しているの)

そう思った私は、結城くんに気付かれないようにそっと結城くんの顔を見た。


(………あ)


私が見た結城くんは……。

私とは比べ物にならないほど顔を真っ赤に染めた、結城くんの顔があった。

…っていうか、顔どころか耳まで真っ赤。


……なーんだ。
意識しているのは私だけじゃないんだ。