「ドアが開かなくなったのはお前のせいじゃないんだから…気にするな」

「……ありがとう。結城くんは優しいね」

「―――なっ!? そ、んなことない!」


結城くんは顔を真っ赤にしながら否定した。

「フフッ!」

(言ってることと、表情がバラバラ……結城くんって、不器用っていうか…なんかカワイイ)


「と、とりあえずどうする?」

「携帯で連絡して助けにきてもら……あれっ?」

「どうかしたか?」

「携帯が、ないっ!! ……そういえば、携帯は教室にあるんだった」

「ゴメン、俺のもダメだ。充電切れ」

「それじゃ…どうするの?」

「待っていれば、俺達が戻らないのを心配してハルか村咲が気付くだろ」

「そうだね。それまで待ってるしかないね」

「……あぁ」


時間は思っていたより経っていたみたいで、窓から見える景色は夕焼けの赤色からうっすら暗くなってきていた。


(…あれ? …ってことはつまり、助けが来るまで結城くんと2人きりで待つの!?)