―ピピッ ピピッ


……う〜ん。


―ピピッ ピピッ


うるさいなぁ…。

昨日同様、私は半分寝ぼけながら、目覚ましを止め、ベッドから降りた。


「……また、あの夢かぁ」

あの夢とは、6年前の初恋の男の子と出逢った日の記憶のこと。

最近頻繁にこの夢を見る。

横に置いてあった、目覚まし時計を見るとまだ5時。

「あれ?」

どうやら目覚ましをかける時間を間違えてしまったみたいだった。


「寝る時間、無駄にしたぁあぁ!!」


朝の睡眠時間はとっても大切で貴重な時間なのに!!

最悪だぁ………。


もう一度寝ようと布団に潜ってみたけど、一度目が覚めてしまったら眠れる訳がない。


しかたがなく私はベッドから降りると部屋のカーテンを開けた。


太陽がもう上がり始めていて、窓から射し込む光が暖かい。


でも、窓を開けると春のせいか肌寒かった。

私はまだ慣れない手つきで制服に着替え、下に降りて行った。