「どれとどれ?」
秋津はどうやら、輝が入る時に無視したのは気にしていないようだ。
「迷ってない!すみません、いちごのムースください!!」
なんだか、秋津の聞き方が子供扱いしているように感じて、輝はヤケクソに注文した。
「あたし、先席取ってるから」
人数をざっと確認して、奈留美と席を探しに向かう。
どうせなら、人目なんて気にせずにチョコにしときゃ良かったな……。
輝はちらっと後悔の眼差しを向けた。
「輝!あそこ空いてるわよ」
「んあ?そだな。じゃ、あそこにするか」
ケースに向けていた目を前方に戻し、テーブルを引っ付けにかかる。
スッ
ふいに、輝の手からテーブルの重みが消えた。
「もぅ……。こういうのは僕の仕事でしょ?」
秋津が呆れたように笑う。

