世間はクリスマスでも
恋人で溢れ返ってても
あたしは伝えてはならない。
そんな資格あるはずがない。
紫苑「あげは…?」
言葉を途中で切ったままなかなか紡ごうとしないあたしを不審に思ったのか紫苑が振り向いた。
紫苑の手には淡い紫のパッケージのジャスミンティーが握られていた。
あげは「あっ…!ジャスミンティーだっ!!」
紫苑は一度ペットボトルを見てからあたしの顔に視線を戻した。
紫苑「好きだっけ?これ。
良いよ、飲んで。」
そう言ってあたしの方にペットボトルを投げた。
ペットボトルを受け取ったもののどうすれば良いのか困ったものだ。
あげは「違うの。」
紫苑「何が?」
あげは「別にあたしが好きなわけじゃないの。」
紫苑はさらに首を傾げた。
紫苑「じゃあ誰が好きなの?」
あげは「騎士だよ?」
その瞬間紫苑のくりっとした目が大きく見開かれた気がする。
その事実にあたしはまだ気付かなかったけど。

