遠恋~君と恋をした日々~

もう一度扉が開いた


「おにいちゃ・・・」
「おぉ咲希、明日には家を出るぞ」
「だっ大丈夫なの!?」


お兄ちゃんの顔は青くなっていた


見てられない・・・あたし以上にひどい


「ごめっごめんねぇ、お兄ちゃん」


お兄ちゃんの笑った顔が見たいだけ


辛いこんな顔を見たいわけじゃないのに・・・


「大丈夫だって。咲希は心配し過ぎなんだよ。俺は医者だぞ?すぐ治るさ」


医者だって誇りに言うお兄ちゃんを見て、涙が引っ込んだ


「うん。そうだね。お医者様だもんね。誇りあるお仕事だもんね」


涙をぬぐって、お兄ちゃんの頬に手を添えた


「あたしの手冷たいの、気持ち良いでしょ」


にっこり微笑んで、お兄ちゃんを床に座らせた


「ママがさっき来てね」
「母さんが!?」

お兄ちゃんにさっきの話をしたら、驚いていた


大きな目がもっと大きくなって、すごい顔をしていた