遠恋~君と恋をした日々~

「ママも・・・明日か明後日には家を出るの?」
「えぇ、もうあんな人と一緒にはいられないわ。今までは咲希と祐希がいたから家を出ていけなかった」


ママは・・・この家からあたしたちを追い出すためにこんなひどい演技をしてくれてたんだ


あたしは、そんなことも知らずに心のない気持ちのない人だとばかり思っていた


でも本当は、あたしとお兄ちゃんを一番に考えてくれる人だったなんて


ママは、立派な母親だよ


そ―言えば、あたしが殴られてたりする時ママは部屋を出ていった


それは、あたしがどうなろうと知ったこっちゃないって思いこんでいた


でも違ったんだ。見てられなかったんだ。ママはそのたんびに涙を流してたんだ


「ごめん、ごめんなさい。あなたたちを守れなくて。私なんか母親失格よ」

「そんなことっ!そんなことない!!」


そんなことないんだよ。


あたしもつらかったけど、お兄ちゃんだってママだって辛い


辛くないのはあいつだけだ・・・気持ちがなくてあたしたちを平気で痛めつける


「咲希?今までに何回根性焼きをされたか私に見せてくれる?」
「いいよ」